Diary

新学期は、台風でした

2011/09/03(Sat) 09:09
一歩踏み出すにも押し戻されるほどの風。
むき出しの腕と顔にぶち当たって砕ける横殴りの雨。


新学期は、台風でした


「痛…だったた。った痛っ痛いいぃ…」
家を出る時、どうしようか迷ったものの、暴風警報が出ていなかったから、とりあえず登校してきたというのに、このありさまだ。
案の定というか始業式とホームだけの台風接近の日に、わざわざ学校に来る人影はそれほど多くない。
「やっぱ、自主休校すべきやったかなー?」
昇降口の端で、折れそうになりながらもなんとか耐えたけれど、あんまり役にたっていたようには思えない傘のしずくを払いつつ、雨を吸って肌に張り付く制服をつまむ。
先日届いたばかりの体操服があるのが、せめてもの救いかもしれない。
今日ばかりは、体操服で式に出ていても先生方も五月蠅くは言わないだろう。

校舎に入れば、まだ抜けきらない新しい建物のにおいが湿気を含んだ空気とともに体を包む。
激しく窓に打ち付ける雨音が響く廊下を抜けて、更衣室でビニールに包んでおいたタオルで拭きながら体操服に着替えた…ところで、校内放送が入った。

『暴風警報が発令されましたので、本日の始業式およびホームルームは延期いたします。校内に残っている生徒は、速やかに帰宅し…』

…も、もうちょっと早く連絡がほしかった。
頭に載せたタオルがしっとりと重かった。

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